今回の記事では、FP2級(2級ファイナンシャルプランニング技能士試験)に突破するために、オススメの勉強方法や勉強のスケジュール、テキストの選び方をまとめました。
試験1ヶ月前からの対策でも、FP2級の試験には十分に間に合います。
「申し込んだはいいけど、何もやっていない!」
「どうやって勉強を進めたら良いのだろう…」
とお悩みの方は、ぜひ当勉強法を参考にして試験対策を頑張っていきましょう。
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1. 筆者の試験結果
まずは勉強法の成果として、私がFP2級の試験を受験したときの結果からお伝えします。
私自身はFP2級は2018年9月試験で受験し、以下の通りの成績で合格しています。
試験の得点は、
実技試験90/100(得点率:90%)
となりました。
私は試験2週間半前からの勉強となりましたが、この記事でまとめた勉強法で効率よく勉強できたので、余裕のある合格ができたと思っています。
2. 今回の勉強法について
今回記事としてまとめた勉強法について、前提となる条件を最初にまとめておきます。
1ヶ月での試験対策を想定
今回のFP2級の勉強法では、試験1ヶ月前からの対策を想定して作成しました。
平日は1日1〜2時間程度、土日は少し多めに確保した空き時間に勉強を進めることを想定したスケジュールとなっています。
ただ、暗記の得意不得意には個人差がありますし、実務経験の有無によっても勉強にかかる時間は変わってくるでしょう。
あくまで勉強期間は目安程度に捉え、ご自身の勉強のペースに当てはめていただけると幸いです。
実技試験はFP協会の資産設計提案業務を想定
FP2級の実技試験は、5つの種類から選ぶしくみとなっています。
- 個人資産相談業務
- 生保顧客資産相談業務
- 損保顧客資産相談業務
- 中小事業主資産相談業務
- 資産設計提案業務(FP協会)←今回の勉強法
この記事では個人申し込みの中で最も受験者数が一番多い、FP協会の資産設計提案業務の受験を想定しております。
ただし、どの2級試験も学科試験は全てで共通で、基本的な勉強の進め方は全く同じですので、FP2級を受験する全ての方が参考になる勉強法だと思います。
3. FP2級の試験の特徴を分析
まずは勉強を始める前に、FP2級の試験の特徴を試験結果のデータより分析してみましょう。
FP2級の各試験の合格率
下のグラフは、過去7回のFP2級試験の合格率をグラフにしたものです。
FP2級では、午前の学科試験と午後の実技試験はそれぞれで合否が出されます。
FP協会が公開している試験データからわかることは、「FP2級は午前の学科試験が難しい」ということです。
実技試験の合格率が50%〜60%を推移しているのに対し、学科試験の合格率は半分を超えることはありません。
なぜ学科試験の方が難しい?
FP2級の学科試験は4択問題であるのに対し、実技試験は選択式に加えて一部が短答の記述問題となります。
一見選択肢を選ぶ方が簡単そうですが、なぜ学科試験の方が難しいのでしょうか?
その理由は、2級の学科試験で問われる知識がより細かく正確性が必要になってくるためです。
実技試験は筆記形式とはいえ、過去問と似たような問題が繰り返し出題されるため、解き方さえわかっていれば容易に対策可能なのです。
FP2級は学科試験対策がメイン
この結果から私が考えるに、FP2級の試験対策は「学科試験の対策」が重要で、勉強の柱となってきます。
学科試験に向けて知識を効率よく詰め込み、実技試験は過去問演習を通じて試験形式に慣れる。
これがFP2級の合格にもっとも近づける勉強パターンだと思います。
4. 使用する教科書と問題集
FP2級の勉強では、教科書と問題集がそれぞれ1冊ずつあれば十分です。
必ず新品のものを買う!
基本的なことですが、必ず一番新しい年度のものを買うようにしましょう。
FPの試験は法令や制度が改正されることで、毎年内容が変わってきます。
メルカリなどで中古品を購入すると、昔の数字やルールで覚えてしまい、試験当日に間違える原因となります。
参考書は1発で合格するための初期投資だと考えて、最新年度の新品を購入しましょう。
教科書の選び方
教科書は基本的にどれを使っても大差はありません。
書店を見るとFP2級の参考書は多数出版されており、私も受験していた頃は迷っていました。
そこで、私が実際に使っていた経験と各参考書の中身を比較した上で、独学で進める方へ特にオススメの参考書を2つ挙げておきます。
うかる! FP2級・AFP 王道テキスト
私がFP2級を受験する時に使っていたのが、日本経済新聞出版社が出している「うかる! FP2級・AFP 王道テキスト」です。
この本の特徴は、他のFP2級参考書に比べて薄く、持ち歩きしやすいことでしょう。
コンパクトな厚さでも、試験に良く出るところはきちんと網羅されています。
FPの勉強ではテキストを何度も振り返ることが重要なため、持ち歩きしやすいことは大きなメリットとなります。
ただ難点をあげるのであれば、イラスト等は少ないため少し殺風景に感じる人もいるようです。
- 薄くてコンパクト
- しっかりと試験範囲を過不足なくカバー
- イラストは少なめ
みんなが欲しかった! FPの教科書 2級・AFP
「イラストが多い方が覚えやすい」
「カラーがいい!」
ということであれば、TAC出版から発売されている「みんなが欲しかった! FPの教科書 2級・AFP」がオススメです。
こちらは「うかる!」シリーズに比べるとだいぶ分厚いテキストとなっております。
ただ、テキストの真ん中らへんで「第1部」「第2部」の2つに分かれていて、分割して持ち歩けるようになっています。
- イラストが多め
- 板書風のポイントは好き嫌いが分かれる
- とてつもなく分厚く重い
問題集の選び方
次に問題集ですが、選ぶ際のポイントは
- 過去に出題頻度の高い問題をきちんと収録している
- 問題と解答が近いページですぐに確認できる
という2つの点がとても重要になってきます。
書店で出版されている問題集を一通りチェックした結果、テキストで紹介した「うかる!シリーズ」の「うかる!FP2級・AFP 王道問題集」が一番オススメできるという結論になりました。
うかる!FP2級・AFP 王道問題集
この問題集の優れている点は、問題のすぐ横に答えが書いてあるところです。
多くの問題集が別冊や別ページに解答をまとめていることが多いのですが、このスタイルですと机に向かっている時以外に勉強しづらいと思います。
問題と答えがコンパクトに並んでいることで、通勤の電車の中や寝ながらでも気軽に問題を解くことができます。
さらにこの問題集の良い点は、問題集後半に模擬試験として学科2回分と実技1回分が収録されています。
この模擬試験をある程度勉強が進んだ段階で解くことで、自分の得意・苦手分野を理解することができます。
難易度も本番と同じ〜やや難くらいでちょうど良く、この1冊で完璧な問題演習を行うことができます。
過去問集や直前予想問題集は必要ない
試験が直前期には過去問を解き進める勉強が主となりますが、FPの試験では過去問集を買う必要性はありません。
FP2級の過去問演習ではとても使いやすいWEBサイトがあるため、そちらを使ったスマホ学習が気軽で効果的です。
また一部の出版社が出している「直前予想問題集」などもFP2級では必要ありません。
問題を頑張って問題予想を作成しているようですが、試験の直前期に下手に新しい問題に触れても不安を増すばかりです。
問題演習の基本を「問題集1冊+ネットの過去問」に置くだけで、FP2級では十分に得点を重ねることができます。
5. (STEP1) インプット期【1ヶ月〜3週間前】
まず初めに、教科書を軽く1周しましょう。
この時に重要なのは、数字や単語を無理に覚えようとせず、流し読みで進めていくことです。
初めから教科書を覚えようとしない
資格勉強全体に通じて言えるアドバイスですが、勉強に苦労している人はテキストを最初から覚えようとしすぎている傾向があります。
初めて見るような単語や数字を1回目から覚えようとしても、人間の脳は1回で覚えることができません。
いくら時間をかけて覚えても結局は印象に残らず、試験当日に思い出せないという状況になってしまいます。
そのため、最初にテキストを1周するときは
という程度で大丈夫です。
細かな数字や単語を実際に暗記するのは、問題集を解きながら行うのが効率の良い勉強となります。
1日1分野で1週間で1周
FPはA〜Fの6分野ありますので、1日1分野を読むペースで進めていきます。
流し読みすれば1〜2時間程度で1分野は読み終えることができますので、仕事終わりでも無理なくできると思います。
6. (STEP2) 問題集の反復【3週間〜1週間前】
1週間で流し読みが終わったら、次に問題集を使った具体的な暗記に入っていきます。
問題集は繰り返し解く
問題集をガシガシ解いていきますが、ここで大事なのは間違えた問題を何度も解いていくことです。
FPの試験は教科書の暗記能力より、問題演習の質が結果を左右するといっても過言ではありません。
より効率良く、質の高い問題演習をする方法として、私が考えたのが『トーダイ式反復法』です。
「トーダイ式反復法」とは?
一般的に問題集とは、試験に何度も出題される重要な問題を集めたものです。つまり、
こうして、問題集に載っている問題を短い時間で効率よく暗記してしまう、それが私が考えた『トーダイ式反復法』という勉強術です。
この勉強法は、私がFP1級の学科試験や東大入試の時にも使っていたもので、少ない勉強時間で密度高く暗記することを第一の目標としています。
具体的なやり方を書くと長くなってしまうので、こちらの記事で詳しく紹介しています。
この勉強法はFP2級だけではなく、より難しい1級の学科試験や他の資格にも活かすことができますので、絶対に知っておいて損はないですよ!
間違えたポイントは教科書にどんどん書き込もう
問題集や過去問を解いていく時のもう1つの重要なポイントは、自分が間違えた箇所を教科書に書き込んで残しておくことです。
本屋さんで買ったまま持ち込んだような綺麗なテキストを試験会場に持ち込んでいる人をよく見かけますが、私は全くオススメしません。
なぜなら教科書の書き込みとは、自分の苦手な分野を映し出す鏡となるからです。
印象に残りやすい書き込みのやり方などは、こちらの記事の中で紹介しています。
7. (STEP3) 模擬試験に挑戦
問題集を一通り終えたタイミングで、模擬試験を1回解いてみましょう。
このタイミングで模擬試験を解くことで、今の自分の苦手分野を浮き彫りにすることができます。
問題集をきちんと何周も勉強していれば、余裕で6割の合格点は超えていると思います。
しかし細かく各分野を見てみると、苦手な分野と得意分野で得点率が違っているかもしれません。
この模擬試験の結果を見ながら、これからの過去問演習にかける時間を分野別に調整していきます。
8. (STEP4) 過去問演習【1週間半前〜】
十分に問題集の反復が終わったら、試験までの残りの時間はスマホを使った過去問演習に当てます。
過去問を解いていく際にもいくつかのポイントがありますのでまとめておきます。
過去問演習は「分野ごと」に
そして過去問を解くときのキーワードは「横ではなく縦」、つまり年度ごとではなく分野ごとに解きましょう。
つまり「今日は2018年9月試験の過去問をやろう!」ではなく、「今日はD分野(税金)の過去問をやろう!」という使い方が正解です。
同じ分野の問題をずっと解くことで、同じ問題が繰り返し出題されていることが実感できて、正答率も上がってくるのです。
分野ごとの演習に便利なサイト
FP2級の過去問を解き進める際にオススメのサイトが「FP2級 過去問道場」です。
こちらのサイトでは、過去問を通常の『年度別』の他に『分野別』に絞り込んでランダム出題してくれます。
さらに自分がよく間違える内容があった場合、さらに細かい小分野でも絞ることができますので、徹底的に苦手をつぶすことができます。
また、法改正で変わった問題は自動的に取り除いてくれるという機能も大変便利です。
過去問を間違えた時も、教科書にポイントを書き込む
過去問演習はスマホで1つで気軽にできますが、出来ることなら問題集同様に間違えたポイントは教科書で確認する癖をつけましょう。
解説を読んで終わりにしては、「わかった気症候群」の典型例になってしまいます。
間違えた分野は教科書で対応する部分を必ず確認し、「自分がどう間違えたか?どうやったら覚えられるか?」ということを書き込みしておきましょう。
9. (STEP5) 自分の書き込んだテキストを見直す【テスト直前】
最後に、スキマ時間や試験直前にやっておくことをお伝えします。
「日程が近づくにつれ試験が不安になってきた」
「直前まで勉強しておきたい」
そういった方が最後までやっておくべきことは、問題を解きながら教科書に入れていった自分の書き込みをきちんと読み直すことです。
書き込みを見直すメリット
書き込みを見直すメリットは大きく2つあります。
1つは過去の自分が間違えた部分を復習できることです。
問題集や過去問を解いた時に間違えたポイントに書き込みを入れてきた訳ですから、そこを見直せばしっかりと復習することができます。
そしてもう1つ、勉強してきた自信を持てるということも大きなメリットでしょう。
間違えるたびに書き込んでいった教科書の書き込みは、あなたがきちんと学習をやってきた証です。
直前期に新しい問題は解かない
不安になると、新しい問題集を買うなどで新しい問題に手を付ける人がいますが、それは逆効果です。
試験の直前に新しい知識を入れても脳には定着せず、むしろわからないことが出てきた時に焦るばかりです。
新しい問題集に手を出すくらいなら、既にある問題集を「これでもか!」というほど解き直しましょう。
10. (STEP6)いつも通り解いて合格する
FP2級に合格するために私が行なっていた勉強法は以上です。
正直に言ってここまできちんと演習していれば、後は試験本番でいつも通り問題を解くだけで合格すると思います。
満点を取る必要はない
どうしても試験本番は緊張もあると思いますし、選択肢を絞りこめなくて焦ることもあると思います。
ただ、1つや2つ程度、見たことないような問題が出たとしても期にする必要はありません。。
FP2級はたった6割の点数が取れれば合格できるのです。
問題集と過去問をきちんとやってきたあなたなら、試験本番で出てくる問題のほとんどが今までどこかで解いた問題のはずです。
悔しい思いをしないために、きちんと一度で合格できるように勉強を進めていきましょう!