スターアライアンスメンバーの中国国際航空(Air China)。日本発でも世界各地への格安なチケットを出していることから、利用した方もいるかもしれません。
この度、私は中国国際航空の中でも最上級座席であるファーストクラスに搭乗して参りました。
あまり評判のよくない中国国際航空ですが、さすがはファーストクラス。今までのイメージを覆す、記憶に残るようなとても素晴らしいフライトでした!
今回は中国の大手航空会社、中国国際航空のファーストクラスの機内の様子や豪華な食事・サービスについて、写真とともにレビューしたいと思います。
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搭乗したフライトの概要
今回搭乗したのは、中国国際航空の本拠地北京発、ドイツのフランクフルトに向かう便です。
CA931便は14時に北京を出発し、9時間15分のフライトを経て18時15分にフランクフルトに到着します。
正規運賃は100万。割引はなし
この便のファーストクラスの正規運賃は片道でなんと片道で100万円超えの航空券となります。
片道たった10時間足らずの搭乗で、軽自動車が買えてしまうような値段がする高額なフライトです。
それではそんな超高額の豪華フライトの様子を、搭乗前から順番に振り返って行きます!
ファーストクラスに搭乗するまで
羽田から北京へはANAのビジネスクラスで移動しました。
こちらもフルフラットになる快適なフライトでしたが、これから乗るのは更に上のファーストクラス。
北京の中国国際航空の国際線優先搭乗は30分前…?
搭乗開始までいたファーストクラスラウンジの受付の人は、「優先搭乗の人は出発時間の30分前から搭乗できる」と言っていました。
が…!35分前に行ってみると、もう既にエコノミークラスも搭乗を開始している…。
せっかくのファーストなので、真っ先に飛行機に入りたかった…。
ということで本当に優先搭乗したい場合は、出発の40分前にはゲートにいた方が良いと思います。
優先搭乗でファーストに優遇はない
北京では残念ながら、優先搭乗は「エコノミー」か「エコノミー以外」か、という基準で分けられています。
よって、ファーストクラスということによる特別優遇はないということですね…ちょっとこれは考えものです…。
ただ、こちらの優先搭乗の人々には異なるレーンを別に用意されるので、いくらエコノミーの客が並んでいてもサクッと入ることができます。
ファーストクラスのシート
ということで、こちらが中国国際航空のB747-8のファーストクラスになります。
見たことないサイズの個人用ブースと大きなシート、そして大画面が並んでいますね…笑
シートの紹介
まずはこちらが片道100万円のシートです笑。
めちゃくちゃ幅が広い…。
ちなみに上が同じ飛行機のビジネスクラスの座席です。
窓を見るとわかりますが、1座席あたりなんと窓4枚分も使っています…。エコノミークラスだったら一体何人座れるのでしょうか……。
座ったイメージはこんな感じ。これだけの奥行きなので、当然前の足置きになど足が届きません。
ドアはないので、半個室タイプという感じですね。
ドアがなくても座った位置の横には壁があるので、隣の人と目線が合うことはありません。これはとてもGOODです。
ファーストクラスは1機に8席という航空会社が多いですが、中国国際航空のB747のファーストは4列×3の12席となっています。
「さすが中国、ファーストクラスに乗る富裕層も多いのだなぁ〜」と感じていましたが、なんとこの日の登場客は自分を含めてたった2人。
ちなみにビジネスクラスはほぼ満席に近い状況でした。どう考えてもファーストクラスの供給が過剰です笑。
座席周りの機能
ではシートを詳しく見ていきます。
リクライニング
座席のリクライニングは肘掛にあるこちらのコントローラーで操作します。
反対側には、フルフラットや座席のポジションに一発で変えてくれるボタンもあります。しかしこちらのボタンは、なぜかかなりダメージを受けています笑。
大まかに動かしてポジションを決定して、リクライニングやフッドレストの角度を調整するという感じで、直感的に楽なポジションに動かせました。
そしてリクライニングは当然フルフラットになります。この椅子はベッドポジションのボタンを押していくと…
完全に真っ平らに倒れていきます…。
最近ではビジネスクラスもフルフラットになる座席も多くありますが、ファーストクラスには全く及びません。
ファーストクラスの座席では圧倒的な横幅の余裕があり、さらには座席がブース状になっていることで、プライベートスペースでゆったりとくつろげます。
モニター
前方にめちゃくちゃでかいモニターがあります。
大きさはだいたい30インチ弱でしょうか?
ファーストクラスは奥行きがありすぎて画面までが遠いのですが、画面もそれに合わせて大きいので見えないということはまったくありません。
こちらのPSPみたいなコントローラーで操作します。
なお、手元のコントローラーとモニター本体共にタッチパネル式です。モニターは遠すぎて、タッチなんかできないんですけどね…。
テーブル
モニターの前にあるのが可動式のテーブルです。
使うときは手間に引っ張って、利用します。
なお、食事の際などはCAさんが全て出してくれますので何もする必要はありません笑。
パソコンを乗せても余裕あるこの大きさ。そしてがたつきなどは無縁です、とてもパソコン作業などもしやすいです!
収納
小物を入れる収納は座席の左右にあります。
身の回りのものを入れるには全くスペースに困りません。
ドアっぽく見えるこちらは、ジャケットをかけるための収納です。
中にはハンガーが2つ入っており、噂では100均のプラスチックハンガーという話を聞いていましたが、きちんと木製ハンガーになっていました。
ヘッドホン
中国国際航空のロゴが入ったヘッドホンです。
エコノミークラスでついてくる薄っぺらいのと比べて、かなり立派なものです。
コンセント・充電機器
どのタイプの口でも入るコンセントが収納の中に用意されています。
その反対側にはUSBの充電口も2つ。
よくモニターの横に充電口がある機材は多いのですが、中国国際航空のファーストは座席の手元に近い所に電源口があるので、充電しながら携帯を使うことができます。それがGOOD。
ファーストクラスでもらえるアメニティ等
ファーストクラスで楽しみなのが、無料でもらえるアメニティ等のグッズたちです!今回搭乗時にもらったものを紹介していきます。
アメニティポーチ
中国国際航空のアメニティセットはロクシタン(L'Occitane)のものです。下手に自国ブランドが出されるより、フランスの有名ブランドの方が安心ですね笑。
アメニティポーチは、普段使いのポーチとしてもちょうど良いことが多いのですが、今回のエアチャイナのポーチはブランドやデザイン的に男性が普段使いしづらいような気がします…。
ちなみに下がビジネスクラスのアメニティポーチですが、同じロクシタンでも素材や色も異なっています。個人的にはこっちの方がデザインは好きです。
ファーストクラスのアメニティの中身は以下の通り
歯ブラシ、耳栓、歯磨き粉、アイマスク、髪櫛、ウェットティッシュ、リップクリーム、ボディローションが入っています。
パジャマ
ファーストとビジネスとの大きな違いはパジャマの有無です。パジャマで寝ることによって何倍もくつろぐことができます。
搭乗時にサイズがぴったりのものを渡されます。そのデザインがこちら。
紺の生地に赤い線が入って、デザイン的にはとても好きなデザインです。ボタンもカッコ良いです。
離陸前に着替えて良いということだったので、最初からくつろぎモード全開です。
スリッパ
そして機内を移動するためのスリッパですが、さすがファーストクラス。上質なスリッパが待っています。
生地はモコモコで大変履き心地がよく、上部にエアチャイナのロゴが金色で刺繍されています。
厚さは十分。機内で使わなかったら、自宅で室内で使っても全く問題ないほどの触り心地と耐久性でした。
離陸前〜離陸中の様子
まず席に座るとCAさんから挨拶があります。
今日は2人しか乗客がいませんが、ファーストクラス担当として2人が乗務されていました。2on2。ほぼ専属のお付きの人ですね…!
まずは座席や着くや、すぐにあったかいおしぼりが支給されます。無駄に花びらも乗ってます。
そして離陸前にウェルカムシャンパンときちんと温められているナッツが出てきます。
機内ビデオも見て、さあ離陸です!
1回目の機内食(洋食のコース)
離陸後、シートベルト着用サインが消えると早速食事が始まります。
北京〜ヨーロッパ線のような長距離線の場合、機内食は2回提供されます。
今回の場合、メインのコース料理が提供されるランチが離陸後に、そして着陸の直前にディナー(軽食)となります。
コースは洋食か中華という2択となります。
ということで、CAさんが机を出して、クロスや食器を準備してくれます。
アミューズブーシュとして、まずキャビア(!)と一口大の一品料理が出てきました。
続いて前菜のエビ(Prawn with Tail)。
そして、パンをカゴに入れて持ってきてくれるので、好きなパンを好きなだけもらいます。
続いては鶏ガラスープですね。これは飲み慣れた味で安心します笑
そしてサラダ。野菜はとても美味しいのですが少しドレッシングをかけすぎです笑。
そしてメインの肉料理、テンダーロインステーキですね。(Panfried Beef Tenderloin with Mushroom Cream Sauce)。
上のソースもくどすぎず非常に美味しい
何より焼き加減が絶妙です。こんなのが機内で出て良いのでしょうか……。
そしてスイーツ。カートで持ってきてくれるので、もちろんこれもこの中から食べ放題。
あまり欲張ってもしょうがないので、チョコレートムースとバニラアイスクリームにしました。
メニュー
もしこれから搭乗される方がいた時のために、機内食のメニューを一応載せておきます!
1回目のメインの食事はこちらから選びます。
そしていつでも食べれる軽食と2回目の食事はこちらですね。
ドリンクについて
機内でのドリンクは、当然全てのものが飲み放題です。
というか、空になりそうな絶妙なタイミングでいつもおかわりを聞いてくるため、文字通りに「舌の根が乾く」暇もありません。(意味は違いますが…)
シャンパンは2種類用意されていましたので、飲み比べのために両方頼んだり。
ドイツや中国の缶ビールを注文してみたり。
基本的になんでもありますが、中国の飲み物(特に缶)は全体的に冷え方が足りません…。「with Ice」で氷入りをオーダーしておくと美味しく飲めます!
ちなみに、ドリンクメニューの中に唯一日本の名前があった、「石釜珈琲(日本)」も注文してみました。
なんか、家のコーヒーメーカーで入れる安心した味がしました(失礼)。
水はペットボトルでももらえるので、睡眠時などは気楽に飲めます。
ただこのペットボトル、中の容量が多すぎて新品を開封する際はこぼれるので注意…。
機内エンターテイメント
では食事も食べ終わったところで、機内エンターテイメントについて紹介します。
基本設定の言語に残念ながら日本語はありませんでした。
ただUIのデザインがアプリっぽくなっているので、よくわからなくても操作は簡単です!
海外航空会社の海外間のフライトなので、残念ながら日本語対応の映画はほとんどありませんでした。
ただ、ファーストクラスはベッドでぐっすり寝れるので、そもそも狭い座席の苦痛な時間を映画で紛らわす必要がないんです。
機内での睡眠
昼便なので外はずっと明るいのですが、昼食を食べ終わってまったりしていると「ベッドで休みませんか?」と勧められます。
普通だったら、自分の座席をベッドにしてもらうわけですが、この空席状況ですから、自分の隣の座席をベッドにするようお願いしました。
ベッドメイキングも全てCAさんがやってくれます。
もはや飛行機ではないほどの完全なベッドです!
よく見ると少し足元が下がってはいますが、寝てみたら全く気になりません。
ということで、リビングの隣に贅沢なベッドルームの完成です!うーん、もはや飛行機じゃない・・・。
寝返りだって打ち放題ですのでぐっすり寝れます。飛行機の中でこんなにスッキリ寝られるなんてファーストクラスならではでしょう。
ちなみに起きたタイミングで、軽食はいかが?ということで、ヨーグルトとオレンジジュースをいただきました。
機内の様子
少し機内を歩いてみました。
こちらはギャレーですね。
ファーストクラスの客専用となっていますが、呼ばずともCAさんが飲み物や食べ物を進めてくれるので、1回も使いませんでした。
B747は2階建てのジャンボジェットですから、2階に通じる階段です。吹き抜けの様子がかっこいいですね!
ちなみに2階席はビジネスクラスの座席となっています。
フルフラットにはなりますが、窓側のお客さんは出づらい構造です。
2回目の機内食(軽食)
着陸の前1時間半くらいになると2回目の食事となります。ドイツ時間だと16時くらいなので早めの夕食ですね。
扱い上は軽食といえど、全く気は抜かれません。野菜不足を見抜かれるようにサラダとパンが出てきます。
そしてメインは、中国料理から「Sauteed Duck with Ginger served with Steamed Rice and Vegetables」(アヒル肉の生姜ソテーとご飯)をチョイス。
ちなみに、もう一つは牛肉麺でした。
米の炊き具合が美味しい。
そしてこのお肉の味はあの馴染みがある生姜焼です!!
これは最高にビールが合うと言うことで、ハイネケンを注文!
コース料理とシャンパンも良いですが、やはり庶民派としてはビールに合う食事というのも嬉しいものです笑
メインがご飯だったので、箸も出てきました。かっこいいですね。
食後はフルーツです。各種フルーツが1切れずつ入ってます。
2回目の食事が終わると程なくして着陸に入りました。
ドイツの街並みが見えてきて、しばらくしたらフランクフルト・アム・マイン空港に着陸です。
ボーディングブリッジが接続されたら、ファーストクラスの客は最優先に降りれます。
というか、ファーストクラスの客が降りないとビジネスクラスの客は降りることができません。
最後の最後まで最高の機内体験ができる中国国際航空のファーストクラスでした。
中国国際航空のファーストクラスのまとめ
最後に乗ってみた総評をまとめていきたいと思います。
中国国際航空のファーストクラスは程よい居心地
中国国際航空も、さすがにファーストクラスとなると最高のひと時を過ごすことができました。
欧米系のファーストクラスのオープンすぎる空間でもなく、一方で日系の堅苦しい雰囲気もなく、サービスとしてちょうど良いレベルだと私は感じました!
エアチャイナは評価が低いことが多いですが、それは格安のエコノミーやビジネスの話。
チケットの値段がそもそも100万円のファーストクラスであれば、当然それに見合った、至れり尽くせりの最高のサービスを享受できます。
北京での待遇は要改善
今回私は東京からのトランジットで北京からファーストクラスに搭乗しましたが、もう少し北京の空港での待遇は良かったら、とは思いました。
例えばルフトハンザ航空は、自社のファーストクラスのお客さんに専用のターミナル(建物)を設置して、完全にVIP感を出しています。
北京ではトランジットで他のエコノミー客ともみくちゃになったり、ラウンジもビジネスと変わらなかったりとしたので、そこが改善されれば最高だったかもしれません!
ドイツから帰る飛行機は、ルフトハンザのファーストクラスを利用しました!比較してみると面白い発見があります!
その前に利用した、ファーストクラスの乗客専用の超豪華ターミナル、「ルフトハンザファーストクラスターミナル」の記事もご覧ください!