ドイツの航空会社「ルフトハンザ」は、日本のANAとJALを足したものよりも規模の大きい世界的な航空会社です。
そのルフトハンザの中で最上位の座席が「ファーストクラス」であり、中は飛行機とは思えない超豪華空間となっております。
世の中には様々な旅行中のサービスがあると思いますが、
ここが世界で一番豪華なサービスの移動手段
といえるほど、強烈なインパクトを受けた、一生に一度の体験ができる素晴らしいフライトでした。
今回の搭乗記では、ドイツのルフトハンザ航空のファーストクラスの超豪華な機内の様子や食事、サービスの全てを余すことなくレビューしたいと思います。
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1. 搭乗したフライトの概要
今回搭乗したのは、ドイツの主要空港であるフランクフルトを出発し、中国の北京に向かう便です。
LH720便は夕方の17時にフランクフルトを出発し、9時間強のフライトで翌朝の8時半に北京に到着する夜便となります。
正規運賃は約100万。割引はなし
この便のファーストクラスは、片道でおよそ100万の航空券となります…。
9時間のフライトで軽自動車が1台買えるような値段がするファーストクラスですから、当然期待は高まります…!
2. ファーストクラスは搭乗前からVIP待遇
ルフトハンザのファーストクラスの乗客は、飛行機に乗る前からとんでもないVIP待遇を受けられます。
ルフトハンザは特にVIP客への対応が手厚い航空会社で、なんとファーストクラスの客専用のターミナル(建物)が用意されています。
この建物は、フランクフルト発で自社便(ルフトハンザ便)のファーストクラスに登場する客のみが立ち入ることができる、幻の建物です。
つまりANAや他の航空会社のファーストクラスに乗っても、この建物は使うことはできないわけです。
ファーストクラスは1つの飛行機につき8席しかないので、ルフトハンザの全ての便を合わせてもファーストクラスの客は最大でも1日200人程度。
専用ターミナルの中は、筆舌しがたいほどの超豪華空間。
空港なのにバーがあり、
高級レストランがあり、
風呂あり、そしてポルシェで送迎。当然これが全て無料。もはや想像を絶する超豪華な空間とVIP待遇でした。
3. 搭乗の様子
フランクフルトの空港では、ファーストクラスターミナルから専用の送迎車で飛行機の真下に横付けされます。
そこからVIP専用の裏ルートを通って、エレベーターでボーディングブリッジに上がり、飛行機に乗り込みます。
そしてドアをくぐり左側、飛行機の先端部分に位置するのが、伝説のルフトハンザのファーストクラスです。
4. シート・キャビン
こちらがルフトハンザのB747-8のファーストクラスの内部の様子です。
私の今回のシートは1Aという、キングオブファーストクラスとも言える最前方左側の座席です。
この飛行機(B747-8)のファーストクラスは、飛行機の最先端部に設置されています。
飛行機は先端に行くにつれて幅が狭くなりますので、座席は前から2-2-4となり、アルファベットの「A」の形という面白い配置になっているんですね。
窓から見えるボーディングブリッジは自分の席よりも後ろにあります。ジャンボ機のコックピットからの景色はこんな感じなのでしょうか…?
シートの様子
こちらが片道100万円のお値段がするファーストクラスのシートになります。
窓4枚分が割り当てられることからわかるように、半端じゃないほどの奥行きとなっています…。
圧倒的な横幅と高級感のあるシート、包み込まれるように座ることができます。
座った目線はこんな感じ。前までの距離がありますが、ディスプレイもかなり大きいです。
いかにもドイツらしいシンプルなデザインの客室にワンポイントのバラの花…上品な空間ですね。
後ろを振り向くとこんな感じ。
座席がブース状ではないのでプライバシーがないように感じるかもしれません。
実はこれにはカラクリがあって、夜寝るときなどは
手元のボタンを押すと、、、
電動の仕切りを上げることで、睡眠時などには半個室状態にができます!
常に個室だと閉塞感がありますので、客のニーズにあった座席を提供するという意味では一番合理的な座席と言えます。
座席周りの機能
シート周りの機能について、詳しく見ていきましょう!
リクライニング
右の肘掛の前方には、座席のポジショニングをワンプッシュで設定できるリクライニングのボタンがあります。
そしてその手前の肘掛を開けると、各パーツを細かく調整するためのボタンがあります。
座席はこのように完全にフルフラットになります…。
さらに寝るときはこの上にマットレスと布団まで用意してくれますので、もう家の布団と遜色ありません。もはや家です。
シートベルトが特殊
この座席をよくよく見てみると、肩のところにもシートベルトの紐があります。
ルフトハンザのファーストクラスのシートベルトは、車のような3点式のシートベルトなのです。
ということで、こんな感じで頑丈に固定されます。どうあがいても飛び出すことはなさそうです笑。
モニター
座席の前(私の場合は壁)には壁掛けテレビのようなモニターがあります。
デフォルトだとめちゃくちゃ遠いように見えますが、座席は前にスライドしますから、適度な距離で快適に機内エンタメを楽しめました。
画面はタッチパネルですが、遠すぎて操作しづらいので手元のこのイケてるデザインのコントローラーで操作します。
このコントローラーには読書灯やCAさんのコールボタンなどもあるので、全ての操作が完結できます!
収納
足置きもガバッと開いて収納になります。
そしてこの足置きは先ほどのボタンを押すことで、電動で手前に動かすことができます。
さらに上の棚以外の収納スペースとして、客室と入り口の間にはそれぞれの専用クローゼットがあります。
中にはハンガーが2本あるので、こちらにジャケットや服をかけておくことができるわけです。
上下セットで離陸前に渡されますので、もう機内はゆったりとした服装でのびのびと過ごせるわけですね!
ヘッドホン
ヘッドホンもファーストクラスならノイズキャンセリング付きのBOSEのヘッドホンとなります。
だいぶ音質が良いと感じましたので、使ってみてもストレスはほとんどなかったです。
コンセント等
座席の肘掛の下に、コンセント等の充電口があります。
USBが2口とマルチタイプのコンセントが1口と、十分な装備です。
電圧も非常に安定していて、操作しながらでも余裕で充電することができました。
5. もらえるアメニティ等
ファーストクラスで楽しみなのが、アメニティポーチ等のグッズたちです!今回搭乗時にもらったものを紹介していきます。
アメニティポーチ
ルフトハンザのアメニティはドイツの老舗ファッションブランド「van Laack」(ヴァンラック)のものが支給されます。
タグに「Gents」とあったので、男性用と女性用のアメニティは分けられているのだと思われます。
デザインも好みなので、持ち帰って普段使いのポーチとして使いたいと思います。
なお私以外のお客さんはポーチを座席に捨てていってました…。
パジャマ
ファーストクラスで支給されるパジャマは、アメニティと同じ「van Laack」のものが上下渡されました。
襟付きのシンプルなデザインで、しっかりとした作りになっています!
スリッパ
当然機内でくつろぐグッズとしてスリッパも支給されますが、ファーストクラスのスリッパはそこらのスリッパとは格が違います。
輸入雑貨などにルームスルッパとして売っていそうなほど、肉厚で柔らかいスリッパが出てきます。
ブランドはわかりませんが、ファーストクラス専用の半端なく良いスリッパで、普通に持ち帰って自宅用として十分使っても全然遜色ありません。
ちなみに、こちらのスリッパも周りのお客さんは、かけらも興味なさそうに捨てて降りていきました。金持ちは違いますぜ…。
6. 離陸までの様子
席に座るとCAさん2人と副操縦士の方が挨拶に来ていただけました。
特に副操縦士の方はフレンドリーに接していただき、パスポートを見て日本人と分かるや否や「コンニチハ〜」と挨拶してくれました。
そしてウェルカムシャンパンとおつまみ。豪華な旅の期待が高まります…!
意外だったのは、ウェルカムおしぼりがなかったことです。
まあ、ファーストクラスターミナルで贅を尽くし、シャワーでこれ以上なくさっぱりしているので、全くおしぼりなんか必要ないのですが…。
そしてこちらもファーストクラス限定の、機内wi-fiのパスワードカードが渡されます。
ルフトハンザの機内Wi-Fiは本来有料ですが、ファーストクラスの乗客はこのパスワードでログインすることで、フライト中無料で使えるんですね!
スマホ依存症とも言える現代人にとってフライト中にも使い放題なのはとてもありがたいと言えます。
機内安全ビデオを見て、飛行機は離陸していきます。
7. 1回目の機内食(夕食のコース)
さて上空で安定姿勢になると、早速夕食が始まります。こちらがファーストクラスのメニューです。
ヨーロッパ〜アジアのように長いフライトの場合は、離陸してすぐに1回目の食事(コース料理)。そして着陸の直前に2回目の朝食という形になります。
そしてコース料理はメインの料理だけを選択する形となっています。
CAさんが机のセッティング等を行なっていき、自分の机で高級レストランが展開されていきます。
アミューズは鮭で、お酒と非常に合う味です。葉っぱは邪魔でした。
そしてこれが、あのキャビアです。私は人生2度目のキャビアであり、そして2日連続のキャビアです。
行きの中国国際航空のファーストクラスでも食べましたが、ルフトハンザのキャビアは特に美味しいです。
そしてこれでもか、というほどたくさん盛ってくれるのもとても高評価ですね!
ANAのファーストもキャビアは出ますが、少ししかもらえないので、ぜひキャビアを食べたかったらルフトハンザのファーストへ!
こちらはパンに塗るバターなのですが、これも「FirstClass」の刻印が入っています!
こちらも前菜。ロブスターや牛の切り落とし、チーズのなんか固まったやつです。(語彙力がない)
ロブスターの間に挟まっているのは、「イエローラディッシュ」。これ実はなんと日本人おなじみのたくわんです。
こういうコース料理の前菜に出されるものなんですね〜。
唯一微妙だったのがスープ。少し塩辛すぎて、完飲は厳しかったです。これを毎日飲んでたら高血圧待ったなしです。
そしてお待ちかねのメインのテンダーロインステーキです!
肉も然ることながら、ソースや付け合わせの組み合わせがとてもよく、あっという間に食べてしまいました…。
デザートはこのようにカートで盛って来ていただけるので、好きなものを食べられます。
チョコレートタルトのアイスクリーム添えにしました。さすがドイツ、スイーツは絶品ですね!
ただルフトハンザの場合は、出発前のファーストクラスターミナルで超高級レストランのような料理が堪能できてしまうので、機内食が少し霞んでしまいますね…。
どっちも楽しみたい場合は、ぜひ早めに空港に行って、ターミナルと機内食を食べ比べてみてください!
8. 機内エンターテイメント
ルフトハンザの機内エンターテイメントは、フランクフルト〜北京といった海外都市間のフライトでも日本語対応していてとてもありがたかったです。
日本語の吹き替えの作品もたくさんあったのですが、せっかくファーストクラスということなので飛行機の上での睡眠を取ることにしました。
9. ベッドで快適な睡眠
1日中フランクフルトやファーストクラスターミナルで動いていた(&食べまくっていた)ので、疲労困憊でした。
CAさんが布団を敷きましょうか?と聞いてくれるので、トイレで歯を磨いている間に敷いてもらうことにしました!
布団を前方の収納から出してきて、この起き上がった座席が徐々に倒して…。
足置きと一体化して、完全にフルフラットになります!
布団を敷いて仕切りをあげれば、半個室のベッドの完成ですね!
この仕切りをあげていれば、寝ているときは完全にブースのように感じられて、安心してぐっすり寝られるのでGOODですね。
機内の様子
短い時間ですが寝心地の良いマットレスのおかげでぐっすり寝れたので、起きたあとは少し機内を見て回りました。
トイレもファーストクラスの客専用のものがあります。8席に対して2つのトイレですから、待つことなどはほとんどありません。
中は広くて明るい、今まで知っている飛行機のトイレとは違うイメージでした。
そしてトイレにもバラ。おしゃれですね。
なんでトイレなのにこんなに明るいかというと、このトイレにはなんと窓が付いています!
あれ?肝心のトイレはどこだ?と思ったのですが、
なんと蓋が椅子になっていたのですね!
このトイレでは着替えする場所でもありますので、この椅子は着替える時など何かと便利だったりします。
ちなみに洗面台の引き出しには、髭剃りやシェービングジェル、マウスウォッシュ、化粧落とし、リフレッシュシートなどの各種アメニティが充実しています。
そして太陽と逆方向に進む飛行機は見事な日の出を拝むことができました。
ちなみに座席の窓は電動式で、ボタンを押すと電動のシェードが上げ下げされます。
1回目は遮光のシェードが上がり、
そのまま押し続けると今度は景色が見えるようになります!
10.朝食(2回目の機内食)
着陸の2時間前くらいになると、朝食をとることができます。
もちろんまだ寝たい場合はパスできますし、実際のところ全然お腹は減っていないのですが、少しでも満喫しておきたいという思いからお願いしました。
朝はオレンジジュース。果肉入りでとても美味しいです。
朝ですが、座席にがっつり料理が展開されていきます。
カートでハムやチーズが運ばれてくるので、これも好きなものを好きなだけ選んで食べることができます。
今回私がいただいたのが、サーモンとハムの盛り合わせ、スープにパン。そしてデザートとして、フルーツとムースです!
後から気づいたのですが、陶器のお皿等は全てルフトハンザのロゴ入りでした。
DIBBERNというブランドはドイツのハンブルグの高級磁器メーカーらしいです。さすが一流品を調度していますね。
食後のお茶ももらって、まったりとした時が流れます。
11. 着陸から降機まで
エコノミークラスでは長いと感じるヨーロッパ線も、ファーストクラスなら一瞬で過ぎていきます。
あまりに早く着いてしまったので、地球2周くらい回ってから着陸してほしいくらいです笑。
北京の街を見ながら着陸しました。
当然ファーストクラスのお客さんから降りますので、一番真っ先に飛行機を降ります。
ちなみに降りたところに「Mr,ぶくろー」と私の名前の書かれた札を持った、北京の空港の美人スタッフさんが待っていました。
ファーストクラスのお客さんは、次の搭乗口や出口までお姉さんに導かれて移動することができます。
最後の最後まで、本当に至れり尽くせりなサービスを提供してくれる、そんなルフトハンザのファーストクラスの体験でした。
12. ルフトハンザファーストクラスのまとめ
最後に、今回乗ったルフトハンザのファーストクラスの総評をまとめておきたいと思います。
飛行機旅行の頂点、夢の空間
私が今回ルフトハンザのファーストクラスに乗って一番よかった感じたこと。それは
これが飛行機旅行の頂点か〜
という、一番上の世界を知れたということです。
というのも、これ以上の富裕層であればプライベートジェットを使った移動となるでしょう。
つまり一般の定期便の飛行機でのサービスの限界はここにあるということになります。
9時間のフライトに100万円の運賃を出すほどの金銭的余裕のある人間、そして時間的価値の高い人間というのは、世界を見てみると普通にゴロゴロいるということを知りました…。
一般人にとっては異世界で少し窮屈
ファーストクラスは夢のような空間であると同時に、正直なところ私のような一般人には少し窮屈な印象もありました笑。
ルフトハンザのファーストクラスはサービスの良さからも搭乗率が高く、今回も8席中7席が埋まっていました。
座席もブースではなく開放型なので、良くも悪くもお互いの姿がよくわかってしまいます。これもだいぶファーストクラス初心者には難しいところですね。
さらに、今回はフランクフルト〜北京という海外線で、日本語が全く通じない環境ということも心理的なハードルがさらに上がりました。
できることなら日本発着便で、日本語が通じる環境にしておいた方が、少し窮屈さは和らぐかもしれません。
ただ人生の充実度は、物事の体験・経験値で豊かになっていくと私は信じています。
今回完全アウェイながらも、一般人が背伸びしても入ることのできないような体験を受けられたことは、一生の思い出となるでしょう!
搭乗前に体験した、極上のファーストクラスの記事もご覧ください!
ドイツまでの往路は中国国際航空のファーストクラスも体験しました!比較してみると面白い発見があります!