一度は乗ってみたいものといえば、飛行機の「ファーストクラス」ですよね。
国内線ファーストクラスでは快適な座席に美味しい料理にお酒、そしてきめ細やかなサービスが提供されます。
今回はJALの国内線のファーストクラスの概要と設備やサービス、そして「ファーストクラスは本当に価値あるのか?」ということをお伝えしたいと思います。
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1. 国内線ファーストクラスとは
JAL日本航空の国内線ファーストクラスは、JALの国内線に用意されている普通席よりグレードの高い座席です。
もちろんJALの中では最上級の座席ですが、それ以上に国内のあらゆる公共交通手段の中で最もグレードの高いサービスを受けられると私は感じました。
1-1. JALファーストクラスの就航路線
JALのファーストクラスは羽田空港を離発着する一部の路線・便にしか設定されていません。
羽田〜大阪(伊丹)線:全便
羽田〜福岡線:ほぼ全便
羽田〜札幌(新千歳)線:70%くらいの便
羽田〜沖縄(那覇)線:1日3〜4便程度
今回は福岡発羽田行の路線に搭乗してきました。
1-2. ファーストクラスの料金
ファーストクラスの料金は航空券の買い方によって値段が全く変わってきます。
通常運賃は片道5万円以上
まずファーストクラスの普通運賃ですが、非常に高価です。
シーズンによる変動はありますが、今回搭乗した羽田福岡線で片道約5万円弱となっています。
【オススメ】アップグレードなら安い
これらの高い航空券を買わなくてもファーストクラスに乗る方法があります。それがアップグレードです。
アップグレードとは、普通席を予約していた人が当日ファーストクラスに空きがある時に限り、追加料金を払って席を変える方法です。
JALのファーストクラスへのアップグレードは8000円ですので、上の運賃と比較すればかなり安くなります。
しかも今回は、Amazonの買い物で貯めたマイルによる特典航空券ですから、実質片道8000円で福岡東京をファーストクラスで移動していることになります。
AmazonでJALマイルを貯める方法はこちらの記事で紹介していますので、「自分も安くファーストクラスに乗ってみたい!」という人は是非実践してみましょう!
では、これから具体的なサービスについて、画像とともに紹介していきたいと思います。
2. 搭乗前のサービス
「ファーストクラスって座席が快適なだけでしょ?」と考えている人も多いのですが、それは全くの間違いです。
JALのファーストクラスの利用者は空港に着いた時から快適に利用できるように、きめ細やかなサービスを受けることができます。
2-1. 専用のチェックイン・カウンター
ファーストクラスを利用する人は、そもそも専用のチェックインカウンターが用意されています。
専用カウンターなので、手続きや手荷物の預け入れで待たされることは一切ありません。
2-2. 預け荷物に優先タグ
荷物を預けるとファーストクラス専用の「PRIORITY」(優先)と書かれたタグが一緒に取り付けられます。
これで到着時も最優先に荷物が扱われ、一番先にピックアップすることができます。
2-3. 専用の手荷物検査場
専用チェックインカウンターのすぐ横には、ファーストクラス利用者の専用保安検査場があります。
こちらの利用者は空港全体で言えばごく一部ですので、当然こちらの待ち時間も0です。
2-4. 搭乗まで待ち時間は快適なラウンジ
手荷物検査後の飛行機までの時間、ファーストクラス利用者は「ダイヤモンド・プレミア ラウンジ」を利用することができます。
ダイヤモンド・プレミア ラウンジは、JALが用意する国内線のラウンジの中で最上級のラウンジです。
このラウンジも大変素晴らしいかったので、中で提供されているサービス等は別の記事にまとめたいと思います。
3. 搭乗時のサービス
生ビールを飲み、カレーパンを好きなだけ食べて、ラウンジを存分に満喫したらいよいよ搭乗です。
3-1. 優先搭乗が可能
ファーストクラスの利用者は、優先搭乗を利用して早めに飛行機の中に入ることができます。
JALの場合ですと、
が優先搭乗の対象となっています。
基本的にはJALを高頻度で利用するお得意様が対象ですが、ファーストクラスの客であればそこに混ざって優先搭乗が可能です。
3-2. 席に着くとコートを預かってくれる
機内に入ると、いよいよファーストクラスの席とご対面です。
冬場等でコートを着ているときは、CAさんが「コートをお預かりします」と言って預かってくれます。
3-3. 席に座るとCAさんのご挨拶
席に座ってしばらくすると、CAさんがわざわざご挨拶に来てくれます。
マイルを使ってタダで飛行機に乗っているこんな若造に対しても、わざわざ名前で読んでいただき、大変恐縮の思いです。
しかもお一人だけではなく、ファーストクラスを担当する全てのCAの方が1人1人ご挨拶いただけるので、さすが日本航空だなと思いました。
4. 座席について
それではいよいよお待ちかねのファーストクラスの座席を振り返っていきましょう。
4-1. とても広い前後間隔
ファーストクラスの座席は前のシートとの間隔がとても広いです。
短くない(はずの)足は、前のシートには全く届きません。
普通席ですと、窓側の人が通路に出る時は通路側の人は一度立つ必要がありますよね。
前後幅の広いファーストクラスではそんな気を使う必要ありません。
たくさんアルコールを飲んでも、気兼ねなくトイレに行くことができます(笑)。
ちなみにJALのファーストクラスは前の足元に荷物が入れることができます。
4-2. 座席は2-2-2の6列
今回搭乗したボーイング777-200のファーストクラスは2-2-2の6列です。
このタイプの普通席は3-4-3の10列ですので、1人あたりの座席の幅の広さが実感していただけると思います…!
そして、シートマップを見ると、通路を挟んだ向かいの人と座席の位置が前後に少しずつずれていることがわかります。
これによって、隣の人と視線が合わないように配慮されているのが印象的でした。
4-4. 隣の席とのプライバシーが確保
では2人がけの隣の人とのプライバシーはどうか、こちらも全く問題はありません。
普通席と大きく違うのは、座席の間に壁があるという点です。
そのため、普通に座っていればと隣の人が何やっているかはわからないです。
裏を返せば、2人で旅行するときは隣同士の席を取っても会話するのは少し難しいかもしれません。
4-5. 3箇所がリクライニング
ファーストクラスの座席には、リクライニングで動かせる場所が3ヶ所あります。
操作は肘かけの下にあるボタンを押しながら動かす手動式です。
高機能すぎて、どこがどうなっているのか全くわからない初心者のために、シートの使い方がちゃんと入っています。
さてリクライニングさせた感想は、今まで座ったどの椅子よりも快適です。
「座席がすごい倒れて横になる」というより、きちんと体にフィットする感じが適切です。
そのため見た目の上は、リクライニングしているようにはあまり見えないかもしれません。
しかし、背もたれだけではなく座面自体も傾斜ができるので、想像以上に横になっている感じがします。
ちなみにヘッドレストも動かすことができるため、より首から上の部分も包まれている感覚です。
4-6. 高級感がある広い机
肘掛を開けると机をスライドして取り出すことができます。
とにかく天板がとても広く、そして高級感があります。
提供される食事を乗せるため、広いのは当然と言えば当然なのですが、13インチのMacbookproを載せてもなおこの余裕。
ちなみに机の位置は前後にスライドさせられるので、座席のリクライニングをどの角度に設定しても机は使いやすいです。
4-7. その他の設備
その他のファーストクラスの座席に置いてあるグッズたちを紹介します。
スリッパ
まずはくつろぎのためのスリッパ。小さい靴べらと一緒に前に入っています。
私は意気揚々と靴を脱いでスリッパを履きましたが、周りを見ると意外とスリッパ使っていない人は多いです。
ちなみにスリッパは持ち帰りOKです。
ちゃんと袋もついているので、スリッパが置いてないホテルを利用する時に持って行くのにちょうど良いです。
充電用のバッテリー
私が乗ったB777-200の場合、ファーストクラスの座席には充電用のモバイルバッテリーが置いてありました。
2019年9月から就航予定のA350のように、コンセントが座席についている機材の場合、こちらのバッテリーは置いてないと思われます。
ノイズキャンセリング機能付きヘッドホン
普通席でもイヤホンをもらうことができますが、ファーストクラスの場合はノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンとなります。
JAPAN AIRLINESのロゴが入っています。
ブランケット
毛布もファーストクラス専用のものが座席に予め置いてありました。
普段普通席でもらえる毛布に比べ、ウール100%のブランケットは手触りが良かったです。
クッション
テンピュール社製のクッションが置いてあります。
こちらもFIRST CLASSのタグがついています。
ちなみにオススメの使い方がきちんと図付きで紹介されています。
私が試した結果としては、離着陸の時は腰の後ろに置いて、パソコンで作業するときは膝上に載せておくのがしっくりきました。
枕
枕もアテンダントさんに申し出るともらうことができます。
こちらはクッションよりもフワフワなものですので、首下においておくとぐっすり寝れそうです。
5. 離陸後の食事・ドリンク
さて離陸後、シートベルト着用サインが消えてからがファーストクラスの本番と言えるでしょう。
ここから食事やドリンクの提供がスタートされます。
5-1. メニュー
まずどのようなものが提供されるのか、メニューが座席ポケット前に入っています。
といっても食事は1種類だけなので、主にドリンクを選ぶ用ですね。
5-2. 食事
JALのファーストクラスは、国内線でフライト時間が短いにも関わらず食事が提供されます。
「食事をお持ちしてよろしいでしょうか?」と声をかけて、持ってきていただけます。
そして机すらもCAさんが出してくれます。
メイン
ということでこちらがファーストクラスの食事です。機内とは思えないですね。
ANAと大きく違う点は、きちんと陶器のお皿で出てくるところです。
メニューを見ると、羽田発は和食で羽田着の便は洋食のようですね。
日帰り出張でも、行きと帰りで違うメニューが楽しめます。
軽食など
食事は決まっていますが、それ以外にも軽食をオーダーできます。
食事は量があまり多くないので、当然軽食を注文します。
インスタント麺がラーメンとうどんで選べるので、今回はJAL名物の「らーめんですかい」を選びました。
アルコールも飲み放題なので、当然おつまみも食べ放題です。
おかきと乾燥納豆をもらいました。
おせんべいの定番の亀田製菓ですが、味は普通です。
多分CAさんに言えば、クッキーなどももらえたと思います。
5-3. ドリンク
続いて提供されるドリンクの紹介です。
飛行機といえば、ドリンクでコーヒーかお茶か、ジュースかを迷うのが醍醐味…ですが、ファーストクラスではそんな心配は無用。
なぜならアルコールもソフトドリンクも好きなだけ飲み放題ですからね。
アルコールドリンク
最初のドリンクはCAさんが食事前に聞いてくれます。
ということで、メニューを見て悩みます。
JALというと、伝説の焼酎と言える「森伊蔵」が用意されているので有名です。
ただ焼酎はあまり飲める気分ではなかったので、ファーストクラスといえばという「シャンパン」にします。
CAさんがきちんとボトルの銘柄もご紹介。ちなみに説明されても何もわからないのですが。
シャンパングラスに注いでくれます。
ダイヤモンド・プレミアラウンジで大量にビール飲んできているので、他のアルコールは軽くハイボール程度にしておきました。
ハイボールはウイスキーと炭酸水を割ってくれるのかな、と思ったらこちらは缶でした(笑)。
ちなみにグラスにレモンを入れてくれるようにお願いしたら、きちんと対応していただけました。
飛行機内で可能な範囲で、という条件はありますが、乗客の要望には出来る限りの対応をしてくださいます。
ソフトドリンク
もうアルコールは…、ということでソフトドリンクに行ってみます。
ソフトドリンクの中でダントツで美味しかったのが、「山形代表 ら・ふらんすジュース」です。
果汁100%のストレートジュースとのことで、ラフランスの味がそのまましました。
あとはJALオリジナルの「スカイタイムキウイ」。
ソフトドリンクもきちんとグラスで出してくれます。
着陸直前になると、危険なのでプラスチックコップになります。
水は小さいサイズのいろはすでもらえます。
着陸直前にもらっておくと、そのまま持ち帰れて良いですね。
サービス提供時間について
福岡羽田間のフライトは約1時間半です。
ただ、上空の安定姿勢の時しか食事やドリンクは提供されませんから、実質1時間弱となります。
6. 着陸後のサービス
それでは最後に飛行機が到着する時の様子をお伝えします。
6-1. 着陸態勢に入る直前にコートを返却
着席時に預かってくれたコートは、着陸態勢に入る前に返ってきます。
前の座席にコートをかけるところが付いているので、そこにかけておいてくれます。
6-2. 一番先に降機できる
飛行機の降りる順は、物理的に最前方であるファーストクラスの乗客からとなります。
6-3. 手荷物も一番最初に出てくる
預け入れ荷物にはプライオリティのタグが貼ってありますから、当然一番最初に荷物が出てきました。
ただ羽田空港のように大きい空港だと、プライオリティタグの付いた荷物でも時間がかかります。
特にファーストクラスに座っている人は一番最初に降ろしてもらえる分、手荷物が来るまで少し待たされます。
と言うことで以上がファーストクラスのサービスや設備の紹介でした。
7. ファーストクラスは乗る価値があるか
実際にファーストクラスを体験したことから、「ファーストクラスに高い金を出して乗るべき価値があるか?」について話したいと思います。
7-1. 「普通席」で十分
まず結論から言えば普通席で十分です。
ファーストクラスも普通席も、所要時間は全く変わりませんから時間的なメリットはありません。
食事が提供されたり、アルコールが飲み放題というメリットもありますが、JALは食事やアルコールの機内持ち込みが特に制限されていません。
つまり最初から食べたいものや飲みたいものを買っておけば、同じことはできるはずです。
7-2. ファーストクラスの本当の価値とは
ファーストクラスを利用する一番の価値は「座席の快適性」にあると思います。
ファーストクラスの座席は、飛行機を降りた後の特有の疲れなどを全く感じさせません。
「大事なビジネスがある」
「せっかくの休みなので観光を思いっきり楽しみたい」
こういった状況ならば、狭くて混雑する普通席で疲れてしまうくらいなら、高いお金を出してでもファーストクラス乗った方が自分にそれ以上のリターンが返ってくると言えるでしょう。
何に価値を感じるかは人それぞれだと思いますので、価値を感じる部分があるなら高いお金を出してでも乗れば良いと思います。
8. 一度体験することの大切さ
サービスも食事も最高でしたが、今回のファーストクラス搭乗で一番良かったことは「自分の知らない世界を知れたこと」だと思いました。
8-1. 体験して初めて物の価値がわかる
「ファーストクラスなんてお金の無駄」と切り捨てる人がよくいます。
しかし私は自分が体験したことがないこと、やったこともないことに対して、批評することに虚しさしか感じません。
今回のJALのファーストクラスの体験は強くそれを感じさせてくれるものでした。
自分が体験した上で、自分が使うか使わないか決定すれば良い話だと思います。
自分の現状の考え方や固定観念に囚われることで、くれぐれも貧しい思考回路の人間にはならないように気をつけたいと思いました。
8-2. マイルで経験値を増やそう
そういった意味で、マイルで航空券自体をタダにして旅に出る方法は、安価な金額で貴重な体験をするチャンスをたくさん得られます。
是非みなさんもマイルを貯めて、機会があればアップグレードしてファーストクラスに乗ってみてはいかがでしょうか?